阿波リトリート

神山整体堂のblogです。ホームページはこちら。http://karadakobo.wix.com/seitaido

整体は深い眠りのために

最近、朝起きると鳥の歌声がすごい。
ウグイス、ヒヨドリ、ツバメ、ヒバリ・・・
鳥の鳴き声で目を覚ますというのは優雅なようですが、朝っぱらから余りに騒々しいので笑ってしまうこともあります。彼らの寝起きの良さを見習いたいものです。
さて眠りの話です。
整体というのは受けて終わりではなく、眠って初めて完結します。
偏りを正すと、眠りが深くなります。その深い眠りが、身体の芯にあった硬直や疲れを癒すのです。
自分の身体を最終的に整えるのは、整体師ではなく自分自身であるということです。
普段から眠ることを大事にしていれば、健康になること請け合いです。
深い眠りに入るコツは、眠る前にのびやストレッチによって一通り身体を整えておくことです。
体が疲れすぎていても頭が働き過ぎていても深い眠りは訪れません。部分的な緊張や疲れを全身にならすことが大事です。
眠る直前にテレビやスマホを見たり、本を読むことも深い眠りを妨げます。視神経の緊張が身体をゆるめることを妨げます。寝酒も身体をゆるめるようでいて、実際には身体を鈍らせるだけで、逆に硬直を招くこともあります。
幼い頃は朝起きれば元気いっぱいで、その日一日溌剌と動いていたはずです。
それがいつの頃からか、眠っても疲れが取れず、一日をなんとなく億劫に過ごしてしまうようになります。起きながら眠り、眠りながら起きている、そんな毎日では生きてる甲斐がないというもの。
深い眠りこそ、溌剌とした生活のカギとなります。f:id:karadakobo:20160424084103j:plain

さよなら、花粉症

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私はもともとかなりひどい花粉症の持ち主です。整体では排泄を大事にしますので、鼻のかみ過ぎで鼻が真っ赤になっていても、「これも体の欲求だ」と許容してきました。
しかしある人から「整体師が花粉症ってあかんやんけ」と言われ、「言われてみればその通り」ということで数年前から食事制限や気功などの自己治療を試みてきました。
しかし多少ましになっても、ほとんど症状に変化は見られませんでした。今年もいつも通り鼻がつまり、「ああ、今年もダメだった」と思っていました。ところが発症から一週間ほどして謎の偏頭痛に襲われ、半日ほど寝たら、不思議なことに花粉症が8割がた治ってしまったのです。それ以降、酒を飲むと多少ぐずつきますが、最低どちらか片方の鼻は通っていて、前のように終始ぐずつくことはなくなりました。以前の症状から考えたら奇跡のようです。
治った原因を自分で考えてみましたが、3つのことが思い当たりました。
 
・頭の位置を正して、首のひずみを取った。
・座禅で気と血を頭から下ろした。
・水と空気がきれいな徳島に引っ越した。
 
このうちのどれかが効いているのだろうと思います。
来年以降どうなるか分かりませんが、自分で治そうと思えばある程度治るもんだ、と自信を持てました。と、同時に自分の整体の領域が、アレルギーや神経症といった身体の奥の問題に本当の意味で届いた感触があり、ますます整体の世界が面白くなってきました。
来年の春の記事が「おかえり、花粉症」にならないように気をつけます。

福は内、鬼も内・・・これ整体の奥義なり!

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整体の生みの親、野口晴哉先生のお宅では、豆まきの時に「福は内、鬼も内」と言っていたそうです。

これは整体の奥義だと思います。

首のコリを感じた時、人はしゃにむにそれをほぐそうとします。しかし多くの場合、そうすると消えるどころか、ますます強く感じるようになります。コリを嫌がれば嫌がるほど、皮肉なことにコリは強くなっていくのです。

病気や体調不良でも同じことが言えます。

もちろん「苦しい、イヤだ」と思うことは自然の反応なのですが、あまりにそれが強すぎると治癒の働きを逆に乱してしまうのです。

それは病気や不調を嫌がることで、本来は自分の一部であるそれらが、身体の中で敵と化してしまうからです。中に敵がいれば、当然、身体は緊張します。その緊張がますます病気や不調を悪化させるのです。だから病気や不調の時に、あまりにあれこれと手を尽くすことはお勧めしません。

病気や不調の時は、まずそれらをあるがままに受け入れることから始めます。

敵と見なさず、対立せず、友人のように向き合い、理解しましょう。

そうするとある時、ふっと症状がゆるむはずです。

コリであれば敵と思ってギューギューもまず、そっと柔らかく触ってみましょう。

その優しさがコリ君に伝わって、彼もきっとゆるんでしまうはずです。

「福は内、鬼も内」。そんな心でいれば鬼もすっかりニコニコして福を運んでくれるのではないでしょうか。

 

干し柿づくりと「こうじの木」

 

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12月から年始にかけては乾いた空気の晴れた日が多かったので、干し柿干し芋、干し椎茸に切り干し大根と、乾物づくりにいそしみました。

 

中でも今年がんばったのは干し柿づくりです。

干し柿用の、それは大きな渋柿を40個、皮を剥き、熱湯で消毒して、シュロの葉をさいたひもの両端に1つずつ結んで竿をにかけます。

 

このシュロひもが、使ってみるとなかなかに良いものでした。

干し柿にはシュロひもが昔からの決まりごとのようで、市場などでは渋柿におまけにつけているお店もあり、私たちが借りている畑にも小さなシュロの木があったので、今回試みに使ってみました。

渋柿が相当に大きいので、強度は大丈夫かな? と不安に思いつつ結んでみると、意外にもとても結びやすく、非常に強靭なのです。

また、11月にビニールひもで干した際には、暖冬の影響もあり、ひもの端が少しでも実に触れてしまうと、その部分の乾燥が遅く、そこから黴が生えてしまいました。

ところがシュロひもの場合、実と同じように乾燥していくので実に触れていても水分がたまらず、そして意外にも乾燥しても弱くなりません。しかも干しあがったらへたごと切り落として畑に返せるので、可燃、不燃とごみを仕分ける手間もないのです。

う~ん素晴らしい! と、一人でうなってしまいました。

 

さて、干した渋柿は2週間ほどで、オレンジ色でとろとろの「あんぽ柿」の状態になります。

この時点でもちろん美味しいのですが、さらに干すと茶色くしっかりと実のしまった「干し柿」らしい感じになります。濃縮した甘みは上質な和菓子のようで、今回はそれを目指すことに。

ところが、渋柿がとろっと柔らかなあんぽ柿になった頃、なんと小鳥たちに見つかってしまったのです。ベランダで「チイチイ」と鳥たちがやけに騒がしいと思ったら、そこには食べ散らかされた柿の残骸が…。f:id:karadakobo:20160201110616j:plain

それはシュロひもで竿に干したものとは別に、取り込みやすいようハンガーを改造して3段のはしご状に干したものでした。考えてみればはしご型だと、下の段の棒が、上の段の柿を食べるためのちょうどよい留まり木になってしまうのです。

これは当たり前だと、慌ててこちらもシュロひもで結び直し、竿にかけてみたのですが…美味しい味を覚えてしまった鳥たちは知恵を絞り、竿の上からひもを手繰り寄せて柿をつついたようでした。

というわけで、もう少し干したかったけれど、今年の干し柿づくりはここで終了。

 

ところで、いつもは微笑ましい小鳥のさえずりを苦々しい気持ちで聞き、なんとか囲ってもう少し干す方法はないかしら…と思案していたとき、ふと学校で習った『徒然草』が頭を過りました。

「こうじの木」という段です。

 

人里離れた山奥に侘びた庵を結び、趣深く暮らしている家を見つけ、兼好法師は「かくてもあられけるよ(このようにも暮らせるのだなあ)」と感嘆するのですが、その家に厳重に囲われた柑子(みかん)の木があるのを見て、「この木なからましかば(この木さえなければ)」とがっかりする物語です。

盗りに来る人すらいない山奥で、それでもみかん泥棒を警戒して厳重に囲っているあさましさ…。

でもでも、はたして本当にそうだったのでしょうか?

 

山奥に暮らす人が、たまの旅人にいくつかのみかんを食べられることを嫌がるでしょうか? 人懐かしい山暮らしなら、むしろ喜んであげたいくらいが普通なのでは? では囲いは何のために? それはなんといっても猿、鳥、鹿、猪です!

まったくグルメな彼らは、果物を大事に食べることを知りません。美味しい所をちょっとかじっては次の実へ…食べるならせめて大事に食べて! と怒りたくもなるものです。囲いたくもなるものです。山暮らしの悩み事は今も昔も変わらないはず。だからきっとあのみかんの木は…と大昔の誰かさんに心を通わせてみるのでした。

※一番上の写真は、神山に大雪が降った時のものです。まるで雪国のようで、美しかったです。

 

 

風邪でデトックス

f:id:karadakobo:20151213213800j:plain風邪というのは、世間的には悪者あつかいされがちです。風邪を引けば、すぐに風邪薬を飲むというのが一般的な日本人の習慣となりました。しかし風邪は、身体が引きたくて引くものなのです。私たちは日常生活を送る中で、身体に様々な負担をかけます。疲労、食べ過ぎ、呑み過ぎ、冷え、精神的ストレス・・・。風邪は、それらをリセットするためのものなのです。
 風邪を引くと、文句なくしんどく、苦しくなります。すると普段通りの行動が難しくなり、休養せざるを得なくなります。風邪は身体からの「休め」の合図です。
 ところが、これを風邪薬などで抑え込んでしまうとリセットすべき身体の負担が身体に残るだけでなく、表面から奥に引っ込み凝縮します。そしてより重たい病気の原因となるのです。だから野口整体では風邪を悪者扱いせず、むしろ風邪を通して元気になることを目指します。

 とは言っても、とにかく風邪を引けば元気になるというものでもありません。風邪で元気になるには、やはり風邪の身体を丁寧に扱う必要があります。
 風邪で大事なことはまず、熱と汗を出し切って水分を摂ることです。熱は細菌を殺し、免疫力を高めます。普段冷えている人は、熱を出すことでそれを緩和することもできます。熱が出たからといって簡単に解熱剤を飲むのはあまりにも安易です。40度以下の熱は積極的に出しましょう。熱が出れば、汗をかきます。汗をかけば血中の老廃物が出ていきます。疲れも抜けます。汗をかいたら水分を摂りましょう。古い水が汗で抜けて、新鮮な水が体中を潤していきます。
 次に大事なことは、頭をゆるめることです。特に目を使わないようにします。暇だからといってスマホやテレビを見過ぎては、風邪の後すっきりすることはないでしょう。そもそも風邪で頭痛があれば、
頭がくらくらして何かを見たり考えたりすることが難しいはずです。そういうときは素直に頭を朦朧とさせておいた方がよいのです。するとたまっていた頭の疲れが抜けていきます。
 こうしてきちんと風邪を経過すると、身体が生まれ変わったことに気づきます。頭と体がすっきりします。私がいつも驚くのは、風邪を引いた後自分の唇を触ると、まるで何かを塗っているみたいにツヤツヤと潤っていることです。

 ところで最近、デトックスということで岩盤浴やら断食やらが流行っています。スマホやパソコンから離れる「情報断食」ということまで言われだしました。これらが実は風邪の症状に対応していることにお気づきですか。熱と汗が出る=岩盤浴、食欲が減退する=断食、頭を使えなくなる=情報断食。風邪というのは、まさに自然のデトックスなのです。風邪を風邪薬で抑え込みながら、デトックスにお金をかけるとは、なんとも馬鹿げたことに思えます。ぜひ風邪というものとうまく付き合って、身体を磨いて頂ければと思います。

 最後に具体的な手当て法を記しておきます。

①足湯:これは鉄板中の鉄板の手当て法です。桶にお湯をためて、くるぶしまでお湯につけます。6分して、赤くなってない、冷えて感じる方の足をさらに2分。するとカーッと熱が出てきます。そのあと、冷えの急所である足の中指と薬指の溝を広げておくとさらに効果があります。
②後頭部の温湿布:これは微熱が続いたりして、熱がうまく出きらないときに使います。熱い蒸しタオルを後頭部の膨らみの下あたりに当てます。うまくいくと熱と汗がどっと出て、その後、身体がすっきりします。汗が出たら衣服を替えて汗を冷やさないことが肝要です。
③頭の穴への刺激:頭痛がひどいときに使います。頭には皮膚の下にいくつか穴が開いています。敏感な人なら縦横に走る溝を見つけるかもしれません。穴や溝を押えることで頭の緊張がとれて、頭痛が和らぐことがあります。

知恵とノウハウ

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 健康業界では今も昔もいろんな説が百花繚乱です。

 「菜食が良い」「いや肉食だ」「水を飲め」「いや水は毒だ」「牛乳こそ毒だ」「いや一日一杯の牛乳を」「睡眠は3時間がベスト」「いや6時間だ」「いや8時間だ」etc

 

 結論から言えば、こんなものは人それぞれに異なります。

 そして同じ人でも時と場合によって変わります。体力の余っている時と足りない時、冷えている時と熱がこもっている時。若い時、老いた時、死ぬ時。それぞれ身体が欲するものは変わります。それを一括りに「○○は良い」「××はいけない」というから、おかしな話になるのです。

 

 自分の体感を信じれば、自ずから「適」ということがわかります。自分の体感が伴って初めて、身体の知恵として「身」につくのです。

 外からの情報は、どんなに偉い人が言ったことでも、ノウハウに過ぎません。「冷えには足湯を」「渇きには水を」という野口整体の生活術もそうです。ただノウハウを鵜呑みにしているうちは、感覚は目覚めてきません。感覚の伴わないノウハウは、ノウハウ依存を生み出すだけです。ノウハウは、まず実践し、それが身体にどのような変化をもたらしているかを観察し、自分の身体に良いか悪いかを感覚を通して吟味することで、はじめて知恵へと変わるのです。

 

 ノウハウのままでは応用がききません。ノウハウに依存する人は、100の問題に対して100のノウハウを得て安心し、101個目の問題にぶつかって右往左往するものです。知恵のある人は、100の問題に対して1つの知恵で応じ、101個目の問題が来ても「きっと大丈夫」と感覚的な確信を抱けるはずです。

 

 だから私の講座は、100のノウハウを教えるものではなく、1の感覚をつかまえるものにしたいと思っています。

 

 

11月の予定

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秋空によく映える干し柿モービルできました。

さて、神山整体堂の11月の予定です。

4日(水)セルフケア教室

7日(土)季節の手当て教室

11日(水)セルフケア教室

18日(水)セルフケア教室

24日(火)〜29日(日)東京・日立出張のためお休み

セルフケア教室、季節の手当て教室はともに

AM10:00〜11:30 開催、参加費は各回500円です。

予約は不要ですので、お気軽にご参加ください。